仲間と記憶

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総司が立ち上がり本棚から アルバムを出してきた。 春はワクワクしながら開く。 「わぁ…!」 春は感嘆の声をあげた。 そこには、高校生の沖田総司。 春が幕末で出会った頃と比べて 若干幼さが残る。 ブレザーが恐ろしい程似合っていた さぞモテただろう。 クラス写真で、男友達と肩を組み 楽しそうに笑っている写真。 凛々しい剣道部の集合写真。 そこには春の知らない総司がいた 「格好良い…。」 写真を見ながら春はポツリと呟いた 「いやぁ、照れますねぇ。」 総司が頭をかく。 「あ、冬馬先輩だ。」 修学旅行の写真で 総司と何かを 大口を開けて食べている。 「幼馴染みですから。」 総司が春の横に 寄ってきながら言った。 それから、 「ほら、ここ。」 などと、指を差しながら 高校時代の思い出を、 春に面白おかしく話してくれる。 春はその話が楽しくて ケラケラとよく笑った。 しかし、しばらくして 話の合間に、春が少し黙った。 総司が敏感に感じとる。 「春??」 と、顔を覗きこんだ。 「あたし、沖田先生のコト まだ全然知らないな…。」 寂しそうな表情をしている。 総司は胸がキュゥと締め付けられた それは総司も 感じていたコトだったから…。 「キャ!!」 総司は春を、たまらず抱き締めた 「沖田、せ…」 「“総司”です!」 と言いながら一層強く抱きしめる
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