仲間と記憶

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やっと唇が離されて 春は潤んだ瞳で抗議した。 「何もしないって… 十分してますよぉ…。」 総司があははと苦笑いする。 「だってあなたが誘うからー」 「誘う!?///」 (あたしが!?いつ!?) 春は自分が無意識に 総司を誘惑したのかと困惑した。 「キスに答えてくれたし。 それにそんなウルウルな唇じゃ 我慢するなって言う方が 難しいですよ。 私にも付いちゃった じゃないですかぁ」 総司が自分の唇に手を当てる。 総司の唇がキラキラと光っていた。 「!!」 (グロスだ!!) 春は美姫の 『ウルウル、チュルンな唇で 初チューされちゃいな☆』 というセリフを思い出した。 まさかこんなに効果絶大とは… 「キスだけで我慢したんだから むしろ誉めて欲しいくらいです」 総司がエッヘンと胸を張った。 「そんな威張られても…。 それに…なんか…」 春は力無く答える。 「なんか?なんです?」 総司が不思議そうに訪ねる。 「いつものキスと違ったもん…」 春は恥ずかしくて 段々声が小さくなった。 総司はそんな春を見て 愛しそうに目元を綻ばせた。 「ちょっと大人なキスでしたね?」 と、イタズラが見つかった 子供の様に、総司は 可愛らしく首をすくめて笑った。 「でも、嫌じゃないですから!」 そこだけは はっきりさせておきたくて 春は赤くなりながら キッパリと総司に言ったのだった。
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