家庭訪問

2/13

4574人が本棚に入れています
本棚に追加
/500ページ
「そうだ!!夏休みは 旅行に行きましょうよ!」 部屋に寄った後、 『夜道は危ないから』と 総司が春を駅まで 送っていく道すがら 春が突然そんな案を出した。 「えぇぇえ!?」 総司は大声をあげる。 「なんでそんな驚くんですか?」 春が怪訝そうに総司を見上げた。 「だ、だってあなた!! 旅行って言ったら 泊まりでしょう? 意味分かって 言ってるんですか!?」 「はぁ…。」 春はまだピンと きていないようだ。 元来鈍感なのである。 「そりゃぁ私は嬉しいですけど… そーゆー発言はちゃんと 覚悟してからにして下さいよ? 男は途中で 止まれないんですからね!?」 段々赤くなる総司を見て 春はようやく 総司の言わんとする事を理解する なので慌てて反論した。 「総司みたいな そーゆー下心を持って 言ったんじゃありません! まったくもう! すぐスケベな方に考えるんだから」 そうやって春に怒られた総司は、 (あなたこそ 天然で私をムラムラさせないように 気をつけて下さいよ…) と、言いたかったが もっと怒られそうなので 大人しく謝り、 気を取り直して聞いた。 「で、じゃぁ、どーゆー理由で 急に“旅行”なんです?」
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4574人が本棚に入れています
本棚に追加