言葉はいらない

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総司は勢いよく立ち上がった。 春がこの時代に逃げた理由が 分かった気がしたのだ。 (幸せだったときの中で がんじからめに なっちゃいけません。 これから一緒に もっともっと笑えば良い。) 未来が変わるかもしれない? そんなのかまってられない。 人を斬る。 その力は確かに恐ろしい。 記憶から消すことも 絶対に許されないと思う。 正当化するつもりもない。 でも…………。 命を奪うだけが 理由ではなかった。 生きる為に、守る為に。 それはこれからも変わらない。 (春を守る為ならば 私はまた刀を持つ覚悟がある。) 一緒に生きよう。 何度も約束した。 力の大きさに怯えないで 向き合って、生きていく。 それを春に伝えるだけだ。 回りくどい行動はいらない。 総司は懐かしさで溢れる 京の街に飛び出した。
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