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それから日も落ちた頃……。
祇園の店に戻ってきた総司達は
会話も無いままに
部屋でひっそりと過ごしていた。
斎藤は新撰組での隊務がある。
心配そうな顔をして
屯所に引き上げていった。
いくら花街だと言っても
電灯の明かりに比べると
やはり外の景色は暗い。
その暗さが、より一層
重い空気を更に重くしていた。
「葬式かよっ。」
冬馬がバンッと畳を叩く。
都、優、冬馬の3人も
総司の知らない間に
屯所で何かあったらしく
どことなく気落ちしていた。
「総司も元気出せよっ!
まだコッチに来たばっかだろ?」
冬馬が総司の肩に手を置く。
総司は窓枠に肘をついて
呆然としたまま
反応を見せなかった。
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