春色平成児誉美

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唇が触れあうギリギリで 総司は動きを止めると 悪戯っぽく微笑んだ。 「キスしたいなら ……春からどうぞ?」 「え!?」 春はキョトキョトと 目を泳がせる。 「しなくて良いんですか? そっかー……。 私ばっかりしたかったんだ? 寂しいですねぇ。」 総司はわざとらしく肩を落とす。 「そっんな!ことは……。」 春は総司にキッと向き直るが いざ至近距離で見つめ合うと ドキマギしてどうしようもない。 「焦れったいなぁ。」 総司は薄く笑うと 春の口にかぷっと噛みついた。 「わっ!」 春は小さく声をあげる。 総司はすぐに顔を離した。 「うーん。あんまり 色気のない声ですね。」 「っ!!? 総司の意地悪っ!変態!!」 「褒め言葉として 受け取っておきますよ。」 総司は春の両手を 路地の壁に優しく押さえつけて 抵抗を許さない。 「久しぶりだから、 私だって余裕ないんです。」 春の耳元に口を持っていき 掠れた声でささやくと 総司は再び春の唇を奪った。
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