春色平成児誉美

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「乾杯し直した方が良いかな? 同棲生活再会おめでとーって。」 土方の隣で美姫がニヤニヤする。 「ぶっ。」 春は霧吹きのように酒を吹いた。 「あはははは!汚い、春!」 ビール一杯でへべれけに なっている優がケラケラと笑う。 「お前意外と酒弱いよな。」 冬馬は素早い動きで 優の手の中にあるビール缶を ウーロン茶のグラスにすり替えた 「まぁそうですね。 もう少し気を使って頂いても 全然かまわなかったのに……。」 総司はぶつぶつ言いながら 膝を抱えて小さくなる。 「そっ!総司! せっかく皆が来てくれたのに!」 春は真っ赤になって 総司をたしなめた。 総司はつーんと 壁の方を向いてしまう。 春は赤い顔のまま ため息をついた。 総司はがっかりしていたのだ。 今日からまた2人で暮らす。 天野と話をしたあと、 すぐにでも春を 抱き締めたくなった。 だから今日の夜こそは……と 強く決意を固めていたのに。 部活から帰ると、 総司の部屋の前には わらわらと愉快な仲間達が 押し掛けていたのだ。
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