春色平成児誉美

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「それだけ力があるなら 自分が思っている以上に 力を抜かないと 相手が痛いですよ~。」 「う、すみません。」 総司のひとことで 春は顔を赤らめる。 (怪力?怪力ってこと!?) 春はしゅーんと肩を落とした。 「ほら、私がお手本を 見せてあげますから 寝転がって下さい!」 「え?……わぁ!?」 春は総司に足首を掴まれて ベッドの上にくるんと転がされる 「あああたしは良いです! 足太いし、恥ずかしいし!」 小さな頃から剣道をしているので 春の足には小振りながらも しっかりとした筋肉がついている 春はそれを気にしているので、 バタバタと足を動かした。 「太くなんてないですよ。」 さっきまでと、うって変わって 総司は楽しそうに笑っている。 ゆっくりと春の足をほぐすように 総司はマッサージを始めた。 「あ。」 確かに総司は力加減が上手い。 思ったより気持ちよくて 春は少しずつ力を抜いた。 「ね、気持ち良いでしょ?」 「はい。総司上手いですね。」 目をとろんとさせて春は答える。 「光姉さんに 鍛えられましたからねぇ。」 「なるほど。」 キビキビと勝ち気そうな 総司の姉の顔を思い浮かべて 春は妙に納得した。
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