家庭訪問

8/13

4574人が本棚に入れています
本棚に追加
/500ページ
「ただいま。」 父が帰って来たようだ。 「おかえりなさーい☆」 母がウキウキと出迎えている。 「あのね、あなた! 今日は春から 重大な発表があるのー♪」 「お母さん!!」 (余計なことを~!!! もう少しお父さんが くつろいでから 言おうと思ってたのに!) 春は母のKYさに呆れる。 「そうか。」 と、父はいつものごとく 短く答えながら 居間に入ってくる。 「お、ぉかえりなさぁい。」 春は竹刀を置いて背筋を伸ばした 「あぁ。」 父は傍のソファに腰を下ろす。 「ほら、春! 早く言っちゃいなさいよ!」 母はまた、 おせっかいな1言を残し 台所へと引っ込んだ。 「なんだ?」 父が春を見つめる。 春は思いきって言った。 「か、彼氏ができたの!!」 シーン…。 また、返事がない。 (まさか お父さんも泣いてるとか?) 春はソロリと父を見た。 なんと、父が微笑んでいる。 「そうか…。」 そして、そう呟くと新聞を広げた (??? け だ れ そ ←混乱のため逆さま。) 春はガクッと力が抜ける。 「土曜日挨拶に 来たいらしいんだけど…」 春は続けて聞いてみる。 「あぁ。」 父は新聞から目もあげず頷く。 「へ?反対じゃないの?」 春は思わず口に出した。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4574人が本棚に入れています
本棚に追加