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「はい。お茶とお饅頭。」
母がお盆に色々載せて
持ってきてくれたようだ。
「ありがとー。」
「ありがとうございます。」
総司も頭を下げる。
「総司クン、
夜ご飯も食べていってね?」
母が微笑む。
「そんな!悪いですよ!」
「いいのよー。
それに1人暮らしなら
帰ってご飯するの面倒でしょ?
遠慮しないで!」
そう言って母は部屋を出ていった
「良いご両親ですね。」
総司は、
受け入れられたような様子に
心底ホッとする。
春の父も、口数は少なそうだが
穏やかそうな人だった。
「本当!?よかったぁ~」
春が嬉しそうに笑う。
「あ!旅行もね、OKでした♪
それで、夏は部活が忙しいから
再来週のGWに行きません?」
春がお茶に
手を伸ばしながら言った。
「ぶーーーー!?」
総司は飲みかけのお茶を吹く。
「総司!?大丈夫!?」
春が慌ててふきんで拭いてくれる
「だ、大丈夫です。」
そう言いながら
総司は心を落ち着かせた。
(さ来週なんて!
心の準備ができてませんよ!)
「やっぱ無理ですか?」
春が見るからにションボリする。
総司は決心した。
「あ、いえ!全然!
行きましょう!再来週!」
「やったぁ!!」
春が嬉しそうに笑う。
総司は言ってしまって
少し後悔した。
こういう訳で
京都旅行が決定したのである。
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