あの人との再会

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春が予約していたのは 二条城の側の小振りなホテルだった 値段と綺麗さ、そして場所を 色々考慮した結果らしい。 なるほど、確かに 到着したホテルは安さの割には しっかりした造りだった。 「えーっと506、506…。」 2人で部屋を探しながらウロウロする 「あ、春。ここみたいですよ」 総司が部屋を発見した。 「本当だ!」 春は鍵を差し込み扉を開ける。 「ふー。着いた着いた。」 春は荷物をベッドに投げ出し 続いて自分もゴロリと転がった。 部屋はシングルベッドが 2つ並んでいる形だ。 総司も隣のベッドに腰を下ろす。 新幹線では立ちっぱなしだったし さすがに少し疲れた。 2人が喋らなければ 当然だが部屋はシンとする。 「総司…。」 春が沈黙を破る。 「何ですか?」 「何か、旅行決めたあたりから あんまり元気ないですよね?」 春はゆっくり起き上がり 心配そうに総司を見る。 旅行は自分が 強引に決めてしまったし 春は実はずっと 総司の浮かない感じが 気になっていたのだ。 「!!」 総司は驚く。 春に杞憂がばれていたのだ。 しかし、下心のせいで 疲れてました。などと 言って良いものなのか… (情けない…) 総司は自分が恥ずかしかった。 どうせ、夜になったら 嫌でも迫ってくる問題だ。 総司は覚悟を決めた。 「すいません。 あの…。今日とか明日、 私我慢できる自信、ないんです。 でもまた春は特に何も 考えてないのかなぁ… だったら我慢しなくては… などと思い悩んでしまって…」
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