あの人との再会

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春が大きな目を 更に大きくしている。 と、プルプルと震え始めた。 「そこまであたし、 鈍感じゃありません!」 そう叫ぶと春は立ち上がり、 ドスドスと総司の ベッドに歩いてくる。 「春…?」 総司はその迫力に圧倒された。 「だいたい、 最初に旅行を提案したとき そーゆーことは 覚悟を決めてから言えって言ったの総司じゃないですか!!」 春はボスッと総司の隣に座る。 「あぁ…。」 総司は思い出した。 「だからあたしは 覚悟を決めてるつもりです!」 そう言いきり、 春は真っ赤になってうつむく。 「へ!?」 総司は今の春の言葉を 理解するのに時間がかかる。 春の赤い耳たぶを見て やっと理解した。 「えぇぇえーーーー!? じゃ、じゃぁヤッても 良いんですか??」 思わず露骨な表現で聞き返すと 春に背中をバシリと叩かれる。 「す、すいません!///」 総司は苦笑いで春を見た。 「あたしだってちゃんと考えて 旅行提案したんですよ? だから、つまり… 総司の事好きだから ダイジョブ、なんですッ…///」 春は頭から 湯気が出るのではないかと 思わせるほど赤くなっている。 そんな春を見ていると 総司は自分が悩んでいたことが バカバカしくなった。 (そこまで分かってて 旅行に行こうと 言ってくれてたのか…) 春がどれだけ旅行を 楽しみにしていたか 総司はあらためて気づく。 「すいませんでした。 とりあえず この旅行を楽しみましょうね」 春の頭にポンと手をのせる。 真っ赤な春は無言でコクリと頷いた
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