時をこえて

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「うわぁぁん!沖田先生ぇ!」 春は今度こそ 思いっきり総司に抱きつく。 あれから2年。 夢で何度も こうやって会えるシーンを見た。 1人で歩いていると 気づくと 右側を空けて歩いていた。 そこは総司の場所だから。 桜 お団子 夏の緑 涼しい川原 浅葱色 竹刀 総司と見た様々な物を 見る度に思い出した。 寂しかった。 悲しかった。 でも、もうそれも終わり。 あの暖かさに また包まれる…。 と思ったら 春は総司の体を通り抜け 部屋の壁に激突する。 「あはは☆やると思った!」 総司が爆笑した。 「相変わらずおてんばサンですね」 「な…んで!?」 春は訳が分からず ぶつけたおでこを押さえて 総司を見上げる。 「私は実体はないんですよ。 思念っていうのかな。 本体は今日あなたが会った方の “総司”です。」 「は!?」
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