あの人との再会

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金閣寺も見に行きたかったが 場所的に離れているので 明日以降の予定にする。 清水を楽しみ、 市中を少しブラブラとすると 気づくと18時前だった。 お腹が空いたので 祇園近くのお蕎麦屋で 夕食を軽く済ませる。 適当に入った所なのに 薄味かつ味がぼやけていなくて とても美味しかった。 「懐かしいなぁ… 昔も江戸から京に出てきたとき 味の違いに驚いたっけ。」 蕎麦を食べながら 総司が少しだけ 寂しげな瞳で言った。 生まれ変わる前の 記憶もあるというのは やはり変な感じなのだろう。 違う時代で生活が2つ あるようなものだから。 総司は話を続ける。 「江戸の料理も美味しいけど 京は野菜とか盛り付けも違って また新しい感じに 美味しく感じましたねぇ。」 「へぇ~。」 春は興味深げに 何度も相づちを打つ。 春は自分の知らない頃の 総司の話を沢山聞けて 嬉しかったのだ。 総司と一緒にいる時間が 長くなっていくほど ムービーの中だけだった 儚げな総司が 生き生きと輝くような気がする。
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