あの人との再会

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「すいません。 総司次どーぞ!」 春がシャワーを浴びて ホテル備え付けの浴衣を着て 出てくると 総司は自分のベッドで すやすや寝ていた。 総司は昨日の夜 緊張しすぎて眠れなかったのだ。 無防備な寝顔は とても可愛くて 竹刀を持つと鬼のように 強くなる人物だとは思えない。 起こすのがもったいなくて 春はベッドの横に膝をつき しばらく寝顔を眺めた。 (まつげながーい。 肌きれーい。 普通なら絶対あたしなんかと つりあわないよねー。) そんなことを考えながら 春は総司の頬をそっと撫でる。 愛しさが込み上げてきた。 この人に辛いことが 起こらないように。 悲しいことがないように。 笑っていられるように。 そして、この人の傍に 自分がずっといられるように。 春はそんな願いが 溢れ出してくるのを感じた。
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