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「わぁ…。」
屯所跡の前まで来て
春はため息とも歓声とも
つかない声をあげた。
総司は無言で
門を見上げている。
当たり前だが
周りの景色も違うし
なんとなくあの頃とは違う。
それでも、鮮やかに
色々思い出された。
「中、入ります??」
総司が口を開き春に聞いた。
1000円ほど払えば
屯所の中にも入れるようだ。
「そうですね。」
春が頷き2人が
前に進もうとしたとき…。
「「!!」」
殺気を感じた。
平成の世でこんな気を放つ人は
滅多にいない。
だから2人とも
すぐに気配を感じ取ったのだ。
2人同時に振り返る。
「ほ~。お前ら勘は
鈍っちゃいねぇようだな。」
春は言葉を失った。
鳥肌が全身を駆け巡った。
低いのに甘い独特の声。
涼しい目元。
艶やかな漆黒の髪。
こんな人、
世界中どこを探したって
あの人しかいない。
「土方さん!!」
総司が声をあげた。
そう、そこに立っていたのは
間違いなく土方だった。![image=368390060.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/368390060.jpg?width=800&format=jpg)
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