あの人との再会

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再会を果たした春と総司と土方は とりあえずホテルの部屋に戻った。 「本当に土方さんですよね?」 総司が身を乗り出して尋ねる。 「何回言や信じるんだ。 オレがあの土方歳三じゃなかったら 春とお前が 江戸時代からの仲だってこと 知ってるわけねぇだろ。」 土方がイライラと コーヒーを飲みながら答えた。 春は今目の前の事実が 夢のような出来事すぎて ボンヤリと2人のやりとりを 聞いている。 総司だけではなく 土方にも出会えた。 そして土方も記憶を持ったままだ しかし、 土方の記憶が戻ったのは 少し前らしい。 ちょうど思念総司が実体総司に リンクできた頃くらい… それくらいから少しずつ 昔のビジョンが頭をよぎり 徐々に思い出したようだ。 それまでは生粋の 平成の人間だと疑わず ごく一般に 生活を送っていたという。 そして今日。 屯所に行けば 総司と春に会えるという 根拠のない自信が生まれ、 どうにも我慢できずに 仕事をほっぽりなげて 京都に駆けつけたらしい。 そして、その勘は 見事に適中する。 後ろ姿だけで すぐに春と総司だと分かり 試しに殺気を出してみたのだと ホテルまでの道のりで 土方は話した。
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