過去は過去でも

3/16
前へ
/500ページ
次へ
「あは!土方さんらしいや」 総司が声をあげて笑った。 「てめっ!一体オレがどんだけッ」 振り返った土方の動きが止まる。 「でも…ありがとう。」 総司がフワッと微笑んで 土方の涙を拭った。 「よせ!」 土方が真っ赤になって立ち上がる 「つれないなぁ。 相変わらず照れ屋ですね~ ね、春。これは間違いなく 土方さんですね?」 総司が春に笑いかける。 心底嬉しそうな笑顔だった。 「!!」 春は息をのむ。 幕末の、髪を高く結い上げた あの頃の総司に見えた。 「春??」 答えない春に、 総司が不思議そうな顔をする。 「はんっ!こいつは相変わらず ボサッとしてんなぁー」 馬鹿にされた春はムッとする。 「相変わらず意地っ張りで、 素直じゃなくて、 不器用で、 意地悪ですから こんな人、この世に 副長くらいしかいませんもん 総司。この人間違いなく 土方歳三ですよ!」 「このアマ~~。」 土方が怒りで体を震わせる。 「うーん。この絡み。 また見れて嬉しいですねぇ。」 総司がカラカラと笑った。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4574人が本棚に入れています
本棚に追加