過去は過去でも

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「さてと、私との出会いに 感動して泣きそうだから 会いに来なかったってのは 理解できましたが…」 総司が真面目な顔で言う。 「そこまで言ってねぇ。」 土方がブスッとした表情で答えた。 「何言ってるんですか。 そのままじゃないですか。」 春がしれっと突っ込む。 「だぁー!うっせ! で、なんだ総司??」 「いえ、ですから 今まで会いに来なかったのに 今日会いに来たのは何故ですか? しかもわざわざ京都まで。」 「あ!そうですよ!なんでですか? 副長の会社も東京ですよね?」 春も忘れていた もう1つの疑問を思い出す。 「そ!それは…。」 土方の表情が妙な笑顔でひきつる 「うーん。その顔は、 大したことない理由ですね?」 総司がニヤニヤと意地悪そうに笑う。 「も~。じれったいなぁ。 たいしたことないなら さっさと白状しちゃって下さい」 春も土方を責める。 「いや、その。いや、」 土方の頬に冷や汗が流れる。 「ひーじーかーたーさーん?」 「ふーくーちょー?」 総司と春に じりじりと詰め寄られる土方。 「ッこれは言えねぇ!!」 土方は部屋から逃げようと 素早く身を翻す。 「無理ですよ。」 総司が扉に 先回りして行く手を阻んだ。 (総司相変わらず早!!) 春はさっきまで隣にいた総司が 瞬時に扉まで移動したことに驚く 「ちっくしょー…」 「観念して下さい♪」 総司がニコリと 天使のような悪魔の笑顔… 「チッ!耳かせ!!」 「痛たたたた!」 土方が総司の耳を 引っ張り何か呟く。
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