過去は過去でも

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(“好き”って 言ってもらえるのは嬉しいけど… 総司いつもとキャラ違う!!) 春はドキドキして固まってしまう。 「春は??」 総司が膝から頭をあげて 顔をズイッと近づけてきた。 腰の手は背中へと回る。 春は総司に抱きしめられ 見つめられる形となった。 「な、なにが?」 春はひきつった笑顔で答える。 「私のこと、好き??」 お酒のせいか、 少し潤んだ瞳で 総司が首を傾げる。 「…///」 可愛さのあまり絶句する春。 「ねぇ~。」 総司が答えを促してくる。 「すす好きだよ!だから、ね? ちょっと一回離れて 水を飲んだほぅ…」 春の言葉は続かなかった。 総司が唇を塞いだから。 短すぎず長すぎない 体が幸せで一杯になるような 優しくて柔らかで甘いキス…。 唇が離れ 春がトロンとした目で総司を見ると 「不思議ですね。」 総司は春の頬を撫でながら ふんわりと笑った。 「自分の好きな人が 自分を好きって言ってくれると なんでこんなに 心が温かくなるんでしょう?」 (総司、酔い覚めた?) 春は総司が 敬語に戻ったことに気づく。 きょとんとする春に 総司はまたキスをする。 春は意識が 甘く痺れていくのを感じた。 体温が上がり 目の前の総司のこと以外 何も考えられない。 思考が上手く回らない。 自分が今どこに 体重をかけているかも分からない どこまでもフワフワした感覚。 (お酒には強くても あたし総司には弱いなぁ…。) 春は総司の口づけに答えながら そんなことを思った。
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