時をこえて

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「せっかく会えたのに 今すぐあなたに 触れられないのが残念です」 総司はションボリと肩を落とす。 「そ!んな…。 こうして会えただけでも あたしは嬉しいです!!」 「ふふっ。ありがとう。 早くあなたに触れるために 体に入らなければ…」 春はドキンッとする。 (だって…。ねぇ。 好きな人に「触りたい」 なんて言われたら…) 「ど、どうしたら 入れるんですか?」 春は気を取り直して聞く。 「そうですねぇ。 実体の方も春のことを、 好きだと思えば、思いの強さの ズレもなくなるので…」 「!?」 それって…。 「あたし、明日から また沖田先生に 片思いみたくなるんですか!? しかも、あたし男の人に アピールなんて したことないですよ!?」 「大丈夫ですよぉ。 “私”があなたのこと 好きにならない訳がないです。」 総司が胸をドンッと叩く。 「あぁー。」 春は脱力した。 最初から意識してしまうと 話かけるのも大変そうだ。 「頑張りましょう!春! 早く色々したいので!」 総司が意気込む。 「?…色々?」 「あ…///」 慌てる総司。 「沖田先生って… 意外とスケベですよね…。」 「しょうがないでしょう! 好きなんだから!」 (嬉しいけどさぁ…) 春はため息をついた。 明日から 実体の方の総司に 言い寄らなければならない 自分を想像しただけで 緊張して疲れてしまった。
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