袖擦り合うも

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「まさか幕末で あたしに関係してしまった人全員 生まれ変わっちゃってるとか!?」 春が顔を歪めて話す。 「それも一理あるかもしれねぇ」 土方は小さく頷いたが 「しかし、オレぁもうひとつ 考えたことがあるんだ。」 と、続けた。 「何です??」 総司が身を乗り出して訪ねた。 「生まれ変わりってのは 特別なことじゃ ないのかもしれねぇってことさ」 「「?」」 春と総司は首を傾げる。 「もちろん、オレと総司みたいに 容姿も記憶もそのままってのは めずらしいのかもしれない。」 春は総司と再会してすぐ 総司の部屋で 話した事を思い出した。 『未来側から、 引っ張ってくれる人がいたから』 と、総司も推測していたはずだ。 「袖すり合うも 他生の縁って言うだろ? 前世に思い入れが強かったり 関係があったりする奴の傍に 人間ってやつぁ 生まれ変わるのかもしれねぇな」 「それなら私達は その思い入れが強い人が 本来ならば未来の存在だったから よりそのままの形で 生まれ変わったかもですね」 総司が相づちをうつ。
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