童貞ソー・ヤング

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あぁ、どうにかしてモテたい。 というかヤリたい…と想う、童貞が今の僕だ。 26歳にしていまだに女性経験も男女交際もない。我ながら笑える。 とにかく女の子と付き合いたい、単に異性と仲良くしたいという気持ちもある。 そんなこんなで、藁をも掴む気持ちで送信ボタンを押した。いわゆる出会い系サイトというやつだ。 半信半疑なところもあるが、これといって出会いがない、職場も男だらけ、でも時間はあるので暇潰しにという感じだ。 しかし、僕という生き物は孤独に弱い。なんだかんだで犬を飼ってみたりする。 ところがまたこいつがエラく可愛い、しょっちゅう散歩もしている。 そしてちょっぴりいいこともあった。 『お仕事お疲れ様です。』 「あっこんばんわ」 散歩道にいつも会う女性がいる。どうやら近所に住んでいるらしい。 『今日も幸せそうねワンちゃん』 「あははッ」 「1人にさせちゃう事が多いから、なるべく時間がある時はこうして…」 と、実際は彼女とのやりとりに期待しているのである。 『うらやましいわ』 『私も普段から1人になることが多くて…』 どうやら彼女はいわゆる人妻らしい。が!?こんな美人に寂しい思いをさせるなんて…僕だったらそんなことはさせないのに… 「仕事がありますからね、仕方ない時もありますよ」 「でも、家で待ってくれる人がいると。自然と元気も湧くもんですよ!」 『そうだといいんですけどね…』 と寂しそうに口ずさむ彼女。 ~【気晴らしに今度食事でも…】~ とでも気のきいた言葉が出なかった。 僕のコミュニケーション能力ってこんなもんだな…トホホ。 「元気出してください!僕とこいつなら毎晩ここ通りますから」 『ありがとう…うん今日も楽しかっわ』 『また…』 「また今度~」 と…微妙な感じで今日も終了~ ハァやっぱり苦手だ、女の人って。 でもまぁ僕のなかでも少しは気晴らしになっている。 「さて帰るか…おっ!?さっそくサイトからメールが届いたか。」
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