*一隣*

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「はぁ…はぁ。ここまでくれば平気か……。ってか学校にいる時と、夜中には来るなよって感じだぜ。奴らも空気読めよな」 人気がない、校舎の裏にある山の獣道。息が少し上がった一狼が深呼吸をしている。 「全くよ。入間(にゅうま)の場所も考えなきゃいけないし」 乱れた髪を手で梳かしながら私も同意する。 「……さて、奴らは待ってくれないから、とっとと行くか」 「ええ」 乱れた呼吸を正し、瞳を閉じて頭の中に行くべき場所をイメージする。 (……入間) 全身に撫でられる感覚が走り、次の瞬間、吸い込まれるような感覚に変わった。
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