*一隣*

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「っくしょ……。一体一体は大したことないんだけどな…こうも数が多いと…」 「人海戦術って訳ね……とにかく攻めるしかないわっ」 双爪を頭の上で回転させながら、餓鬼を見据える。 「うっしゃぁ! やったるぜー!!」 餓鬼に対抗するように声を張り上げた一狼と共に、餓鬼の群に突入した。 「……はぁ、はぁ……まだいんのかよ…」 「…はぁ……はぁ…本当、キリがないわね…」 相当な数の餓鬼を倒すも一向に終わる気配がない。 また、私も一狼も絶えず得物を振り続けたため、疲れもかなり出てきている。 「マジィな……一旦引くか?」 「ダメよっ! この数がここでこれ以上暴れたら―――!?」 餓鬼の群れがここぞとばかりに私達に飛び掛ってくる。飛翔して身をかわすも、数が多すぎてどんどん追い詰められていく。 「楓っ! っくしょぉ!!」 一狼も餓鬼も群れに襲われ、どんどん押され始める。 (このままじゃ……) 「ギュッキャ!」 「!?」 一瞬の隙をつかれ、餓鬼が私の足に飛びつく。とっさに双爪でなぎ払うも、眼前には餓鬼が真っ黒な大口を開けて迫っていた。 (!? やられるっ)
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