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「驚いたな」
「うん、私がアイドルなんてね~」
俺と海はしばらく立ち止まったままでいた。
あまりにも突然過ぎる出来事に戸惑いを隠せない。
帰りの電車の中、海が真田さんの名刺を見せてと言って来た。
うーん、と唸って名刺とにらめっこする海。
そんな姿ですら可愛いからスカウトされるんだろうな。
「偽物じゃないよね、これ」
「多分な、それでどうするんだ?アイドルになっちゃうのか?」
ガタンゴトンっと揺れる車内、乗客は俺と海と数人だけ。
夜も遅いしな、アイドルになるとか言う話しも出来る。
「ならないよっ!なれるとも思ってないし、それに……」
「それに?」
「アイドルになったら、その……コウと居る時間が減っちゃうでしょ?」
またこの子はそんな嬉しい事を……
電車の中じゃなかったら、間違いなく抱き締めてたね。
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