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「……じゅ…………教授!」
「ん?あぁ、すまん」
ふと目を覚ますと、助手の柏木が僕の体を左右に揺すっていた。
どうやら日記を書きながら寝ていたらしい。
「すまんがコーヒーを一杯持ってきてくれないか」
「わかりました」
柏木は二つ返事で答え、部屋の隅にあるメーカーへ向かった。
柏木は僕が開いているセミナーの生徒の一人で、気持ちの良い青年だ。
メーカーを使っているのだから誰がやっても変わりないのだが、彼の煎れたコーヒーは何故か旨い気がする。
それにしても日記を書く途中で寝てしまうとは……。
疲れが溜まっているのかな。
「持ってきましたよ~」
「ああ、ありがとう」
カップを受け取り、薫りを鼻から吸い上げ、小量口に含む。
うん、旨い。
カップを置き、左右の頬を手で叩いた。
頭が少しだけ冴えたような気がした。
さて、書くか。
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