12月某聖夜にて

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    電気の消えた室内、円上に並んだ蝋燭を取り囲むようにして、彼らはいた。 (´・ω・`)「暗いね」 ( ^ω^)「暗すぎるぐらいですお」  _ ( ゚∀゚)「軽くホラーだよな」 川 ゚ -゚)「百物語でもやるか?一つ怪談を話すごとに蝋燭を一本吹き消……」 (;´・ω・`)「またクーはそういう……もう始めない?そろそろ時間でしょ」 ( ´∀`)「そうですね――では、皆さんコップは持ちましたか?乾杯の音頭は不肖ながら私が……」 モナーの声。蝋燭の薄明かりに照らされた面々が、神妙な面持ちで頷いた。 ( ´∀`)「一応確認しますが、私の『せーの!』の後に、皆さんは『おっぱーい!』ですよ」 (´・ω・`)「わかってるって」 川 ゚ -゚)「そしてグラスの聖水を飲み干し、『エロイムエッサイムエロイムエッサイム我は汝を呼びたまへり』」  _ ( ゚∀゚)「『来たれ!汝の血は今飲み干された!』」 ( ´∀`)「『今こそ降臨し、我らの望みを叶えたまへ』――大丈夫ですね」 川 ゚ -゚)「うむ、何日も前から練習したんだ。ぬかりなどないさ」 ( ´∀`)「そうでしたね。――では、やりますよ。“せーの”!!」 瞬間、高く掲げられた五つのグラスに、蝋燭の光が妖しく煌めき、揺らめいた。 ガラスのぶつかり合う荒っぽい音が、暗い部屋に響いた。 ――おっぱーーーーい!!! ――う、おええ苦っ!げほっ!ちょ、誰だよ!僕のコップにセンブリ茶入れただろ!! ――ぼ、僕じゃありませんお! ――ブーン構うな!今は呪文だ! ――エロイムエッサイムエロイムエッサイム我は汝を呼びたまへり!!! ――来たれ汝の血は今飲み干されたー!! ――今こそ降臨し我らの望みを叶えたまへえええええええ!!!! ――よし来い今来いすぐに来ーーーい!!! ――世の中のカップルに罰をおおおおおおおおおお!!!! ――聖夜を勘違いしたバカップルに雷をおおおおおおおおおおおおお!!!!! ――うおおお神様仏様サタンさまあああああああああああ!!!!!!   ~派遣死神と12月のようです~
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