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( ´∀`)「ああ、いえ、いいんです。私も原価と手間賃を考えずに言いましたから……確かに割に合いませんよね……」
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( ゚∀゚)「そーだそーだあんなんいいボッタクリだ」
よーし、気ィ取り直してどっか飲み行くか?そう言って立ち上がったジョルジュを、ショボンは気だるそうに見上げた。
(´・ω・`)「僕らの行きつけ、今日は皆お休みだよ」
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( ゚∀゚)「はあ?なんでだよ」
川;゚ -゚)「はっ……、ま、まさか……!」
(´・ω・`)「―――そう。クリスマスだから」
静寂が、再び部屋を襲った。誰かが唾を飲み込む音が、やけに大きく聞こえた。
( ´∀`)「……残された手は……深夜営業のコンビニだけ……ですか」
川;゚ -゚)「馬鹿な……クリスマスとはいえ年末前だぞ……!!掻き入れ時と言ってもいい!なのに何故!!」
( ^ω^)「クリスマス……だからですお……」
(´・ω・`)「これが……クリスマス……」
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( ゚∀゚)「……呪われた日だな……」
呟き、ジョルジュはまたどすんと腰を落とした。ちゃぶ台を取り囲む、どんよりとした空気。
いっそ、サタンが召喚できれば良かったと、ブーンは思う。あの瞬間、僕らの想いは一つだったと。
――クリスマスにはヒイラギを。街には光を、讃美歌を。子供にはプレゼントを。恋人には、愛を。
いいじゃないそんなの。いらないじゃない。間違ってるよ、バレンタイン並に間違ってるよ。今日は決してそんなに浮かれていい日なんかじゃない。おかしいよ。皆騙されてるんだ……。
僕らは皆、同じ思いを胸に立ち上がった。団結したのだ。
こんなことは派遣死神になってから今までに一度だってなかった。
だから、嬉しかったのだ。
別にクリスマスそこまで嫌いじゃないとか、そんな気持ちはいつの間にかどこかへ消え失せていた。
一丸となって叫んでいたあの瞬間、僕らはどんなクリスマスにも負けない充実感を味わっていたのだ。
(´・ω・`)「………………さっきさ」
川 ゚ -゚)「ん?」
(´・ω・`)「ケーキ食べたいって……言ったじゃん、僕」
川 ゚ -゚)「ああ……」
(´・ω・`)「…………」
ショボンが、よいしょ、と低く呟きつつ立ち上がった。ふらふらとリビングを離れる彼を、皆が目で追う。
彼が死角に入ると、やがて、がちゃがちゃと何かを荒らすような音が聞こえる。
そして、そう待たない内に、彼は再び現れた。
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