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と、ふと自分がいる横断歩道の向かい側、
歩道を走る小さな子供が視界に入った
うわ、あんなところにガキんちょ一人じゃん。
子供にお遣い?大変だなー…
そんなことを考えながら、
焦っている様子を見せる子供を見ていると…
子供は赤信号に気付かなかったのか
目の前の車道へ飛び出していた
「は!?危ないわよ!!」
小さな体を急がせ走り出そうとした子供は
「っ!!」
不運にも足を捻りつまずく
「バッ、ちょっとっ!!」
―ブゥゥゥン…
げっ…トラック!!?見えてないのッ!?
鏡を持ったまま道路へ飛び出して行き、
倒れている小柄な体を何も持っていない片腕で
隣車線へ投げ上げた
―キキィッ!!!!!
そして、目の前に迫る白く大きなトラックに
瞳を大きく見開いた
―ドンッ!
一瞬の激痛の後は全ての感覚がシャットされた
あ…体が浮いてる。
そして、自分の身体とともに空中に浮いた鏡は
キラキラ光を反射しながら舞っていた
ヤバ…鏡返してなーい…
―このまま死ぬのかな。―
―パリン…
鏡は道路の真ん中に縦に落ちて割れたと同時、
意識もどこかへ吹っ飛んでしまった…。
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