第十九章~ディレードスチール~

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「何のための非常扉だ、馬鹿野郎」 零が悪態をつく。 まずい、別のルートを考えなければ。 だが階段もエレベーターもおそらく下にいる奴らに見つかる。 じゃあどうすればいいんだ? 「ん?」 壁に寄りかかった私の腰に何かが当たった。 「何だこりゃ?」 私はその何かを確認する。 これは取っ手だ。 でも一体何の? 私はひとまずそれを引いてみた。 「これは、ダストシュートだ」 それはダストシュートであった ダストシュートはビルにあるゴミ捨て装置で、各階を通した垂直な穴で各階で投入されたゴミは下に集積される。 ……待てよ。 これ、使えないだろうか?
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