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しかしその話は爆発的に広がった。
『高田がプロ野球のスカウトからプロ野球志望届けを出すように言われた』という話はやがて『高田がドラフト会議で指名される』に昇華してしまい、今に至っている。
《二巡目の指名は以上です》
やはりこの辺りは私でさえも聞いたことがあるような選手ばかりだ。
……やっぱり世界が違う。
私みたいな少し球が速いだけのピッチャーならたくさんいる。
そこから私が指名されるなんてあり得ない。
私はもう一度テレビを消してくれるように言おうとしたが、三巡目の指名が始まって言い損ねてしまった。
しょうがないので黙って画面を見つめる。
三巡目でもちらほら聞き覚えのある名前が出てくる。
《森ノ宮ホーネッツ――》
この辺りで指名された選手って、たくさんの契約金が貰えるんだよな。
《投手――》
自分なんかにとっては遠い世界だなんてことは百も承知している。
でも心の片隅ではやはり憧れてしまうな。
《高田 雄太 防衛大学校》
……えっ?
私は画面に表示されているテロップを食い入るように見つめ、女性アナウンサーの声を頭の中で反芻した。
私が、指名された?
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