プロローグ~ドラフト会議~

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「う、うわぁ……」 思わず私は声をもらしてしまった。 大ホールは報道陣などの人間により占拠されていた。 私が入ってきたことにより一斉にカメラがこちらに向けられる。 「そういえば記者会見なんてどうやって答えればいいんですか?」 私は小声で中村先生に聞いた。 指名されるなんて思ってもいなかったから何も考えていなかったのだ。 「自分の気持ちを正直に言えば大丈夫じゃないか?分かんねぇとこは分かんねぇと答えればいいだろ」 中村先生は苦笑いをした。 えっ?それだけ? 「――そうか、分かった。(プツッ)なんかもう記者会見を始めてくれだとよ。よく見りゃ学校長も幹事も来てるし」 中村先生はどっかりと椅子に座ってしまう。 私もそれに釣られるかたちで座る。 でもまだ心の準備が――。 「それでは記者会見を始めさせていただきます」 心の準備が出来ていない私のことなど無視して一方的に記者会見が始まった。
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