プロローグ~ドラフト会議~

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同時にシャッター音とフラッシュの弾幕が押し寄せてくる。 す、凄いな。 私は圧倒されてしまった。 フラッシュがようやく途切れてきた頃に最前列にいた記者が質問してきた。 「この度はおめでとうございます。森ノ宮ホーネッツから指名を受けた感想を一言お願いします」 うわっ!早速かよ! 私は横目で中村教官を見る。 「(正直な気持ちを言え)」 中村教官は目配せでそう言った、気がした。 「えっと、今の心境を一言で言い表わすと『驚き』の一言につきますね。プロ入りなんてこれっぽっちも考えていませんでしたし、自分にとってもプロ野球なんて夢の世界でした」 私は自分の今の気持ちをありのままに言った。 すると記者たちからどよめきの声が上がる。 何かまずいことでも言ったのだろうか? 私は不安になった。 しかしながら記者会見はそんな私を無視してどんどんと進んでいく。 最初こそは緊張しまくりであったが、慣れればそうでもなかった。 結局へまをすることもなく、無事に記者会見を終えることができた。
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