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「…山爺…なんで……」
「三対一じゃ分が悪いじゃろ?」
「…むぅ…」
「それにこちらが優勢になった時点で看守が来るに決まっとるじゃろ……ほしたら罰を受けるのはお前だけじゃ…」
「……」
シオは納得いかないのか、頬を膨らませ俯いている。
そんなシオを微笑みながら頭を撫でる山爺…。
「…シオ…ワシの為に怒ってくれてありがとうな…」
「…別に…」
照れているのか、プイッと横を向き自分のパンを手に取り二つに裂く。
「……はい」
そっぽ向きながらパンを差し出すシオ
「…ワシは胸も腹も一杯じゃよ。シオが食べんさい」
「…はい」
「いや、じゃから…」
「はい」
有無を言わさずにパンを差し出すシオに根負けする山爺。
少し呆れながらもシオの優しさを嬉しく思い、パンをかじる。
「全く、頑固な所は誰に似たんだか…」
「断固山爺」
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