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「いつまで寝てやがる!このクズ共が!!さっさと起きて入り口に並べぇぇ!!」
空虚な石と鉄の牢獄に怒声が響き渡る…
つい先程まで夢の中にいた囚人達はそそくさと起き上がり、牢屋の入り口に立つ。
まだここの生活には慣れていない哀れな新入りの中には、いまだ夢の中の者やダラダラと中々立ち上がらない者もいる。
そういった輩の運命は言わずもがな、見回りに来た看守の無駄に熱い厚意を受けることになる。
所々で看守の罵声と囚人の呻き声が挙がるが、ここではお馴染みの朝の光景である。
それが一段落すると一人の看守が再び声を張り上げる。
「これより朝食を配給する!朝食後は労働時間だ!!
本日試合がある囚人共は鍛練所へ行くことを許可する!…精々頑張るんだな!!」
ニヤニヤと嘲りの混じった声でそう言うと、周りの看守達が朝食の配膳を始める……
朝食を受けとる為に皆格子からお椀を差し出すが、よく見ると中には差し出す手が震えている者が幾人か…
先程の看守が言った『試合がある囚人』達であろうか…
ほとんどの者が青ざめているのが伺える。
中には牢屋の隅で膝を抱えながらぶつぶつ呟いている者、狂ったように神への祈りを捧げている者も……
そういった者達に比べれば、まだ朝食を食べられる者はまともな精神状態といえよう。
そんな『試合がある囚人』の一人にニヤニヤと笑う看守が近づく…
「おい、No.3512…お前確か今日試合だったな?」
「は、…はい…そうですが…」
「見た所若いが…お前処女か?」
「??…はい?」
いきなりの妙な質問に囚人の男はとまどいの表情を浮かべるが、答えを聞いた看守は嬉しそうに笑った。
「そうかそうか、良かったなぁ~お前!」
「…な、何がです?」
まるで堪えきれないかのように肩を震わせひたすら笑う看守…
よく見渡すと周りの看守達も男を見ながら皆嬉しそうに笑っている…
「いやなに、ホントは言っちゃマズイんだがなぁ~、優しい俺様がい~ぃ事教えてやるよぉ」
「な、何でしょう?」
「今日のお前らの相手……トロールだよ」
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