…―ヤブな名医―…

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…―一瞬の静寂―… 男が持っていたスプーンが床にカランと乾いた音をたてる 「「アハハ!アハハハハッ!ヒャハハハァッ~~!!」」 男のリアクションが面白かったのか、看守達は狂ったように笑い転げる。 「よ、良かったなぁ~お前!今日で処女卒業だなぁ~オイ!ハヒッ トロールに死ぬほど抱かれてこいやぁ~!!ハヒヒヒッ」 男は更に青ざめ、現実が受け入れられないのか、何も答えることができないでいた… それもそのはず、トロールとは大きさこそ人間より少し大きい程度だが、かなり凶暴で力も強く、群れで行動するため、遭遇した場合かなりの数を相手にしなければならない。 しかし彼らが最も恐れられているのは強さや凶暴性ではなく、強引な繁殖行動にある。 普通同族同士、もしくは近い種族との交わりによって子をなすのが常識だが、トロールの場合、同族同士の交わりはせず、目についた生物を無理矢理犯し、体内に卵を生む。 どんな生物と交わろうと生まれてくるのは例外なくトロールであり、その生物が雄だろうが雌だろうが関係なく、死体であっても新鮮であれば問題ない。 その劣悪な容姿もあわさって、最も遭遇したくない魔物の上位に位置するのは間違いない。
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