早川 淳

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「違うわ。人生ゲームはあなた、一人でするの。私は見てるだけ」 ますます訳が分からねぇ。一人でボードゲームって何の面白みもねぇだろ? 「あなた、望みはある?」 俺が不審に思っていると、パコが焦れったそうに訊いてきた。 さっきからまるで意味のねぇ話ばっかりな気がするが、このまま俺が話を進めねぇと永遠に平行線のような気がする。 「馬が欲しい。それも白毛で青い目のやつ。俺は豪邸に住んで、毎日庭を馬で走るんだ」 って、ガキの夢だ。叶うはずがない。 男らしくないだと?うっせぇほっとけ。夢見るのくらい自由だろ?まぁ、女々しいのは認めるが。 「豪邸に住んで、白い毛の青い目の馬が欲しいのね?その夢、叶うよ」 屈託のない笑顔でさらっと理解不能なことをパコは宣った(のたまった)。 「はぁ!?」 こいつは、何なんだ…? 「だから、叶うよって。人生ゲームをクリアしたらね。」 これは何の取引だ? そんなことをして何のメリットがある? 「訊きたいことがあるなら聞くよ?何でも言って」
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