僕の生い立ち

母

それからは、弟と姉と三人で支えあって生活をしていました。

父は夜中まで仕事で帰って来ない。

寂しくないようにトランプで遊んだり、ゲームをしたり…

休みの日は父と将棋を指したり。

ある日、僕は父に言いました。
悪意があったわけではありません。
子供の考えなしの一言です。

「お母さんの所に言っとけば良かったかな？」

父一人で子供三人を面倒見るのが大変だろうと思った一言でしたが、父は僕が不憫な生活を嘆いていると受け取ったのでしょう。

僕を殴り付けて父は言いました。

「お前が母さんの所に行ったらお前も母さんみたいに何処か知らない所で死んでたんだぞ！」

それから、僕は父に「お前の母さんは何処かで死んだ」と教わり育てられました。

その言葉は深い傷に変わりました。