咲き乱れ

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朝日が差し込む窓。 窓は開け放たれ、風がカーテンを揺らす。 ベッドに寝ている人間。 その横で丸くなる握りこぶし大の犬に似た容姿をもつ生物。 「くあ……あう」 その生物があくびをした。 「……朝だよ。起きなきゃ」 自分に言い聞かせるように呟く。 後ろ足を上げ、頭をかく。 犬が頭をかくように。 「おーい、朝だよ。起きなよ。学校に遅刻しちゃうよー」 「う……ん。大丈夫だって、ミール。あと一時間寝てもさ……」 「……仕方ないなあ、もう」 ミールと呼ばれた生物は家具を飛びつたい、天井まで行くと勢いをつけて飛び下りた。 「必ッ殺! ミールダーイブ!」 「ぐふ!」 布団に飛び下りたミール。 腹部辺りに直撃を喰らい、呻き声をあげる。
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