2人が本棚に入れています
本棚に追加
「何すんのよ……この犬っころは……ゲホ」
「早く起きないのが悪いんだヨ。ボクはサキの目覚まし時計じゃあないんだからネ」
ミールはそれだけ言うと、扉を開け出ていった。
サキと呼ばれた少女は目をこすりながら起き上がる。
黒髪の蒼い瞳が印象的な少女だ。
「だからって……腹にダイブはないでしょ」
お腹をこすりながら着替えを始めた。
着替える制服は腕を通すのはまだ四回目。
入学式を終えたばかりの新入生だ。
着替えをさっさと終えると、階段を下りる。
「母さん、おはよ」
「おはよう。今日は早いのね?」
「当然だヨ。ボクの必殺技を使ったからネ」
誇らしげに言うミール。
サキは忌々しげにミールを見る。
「喰らえ! ペッパーアタック!」
「わっ、コショウは酷いよ!」
毎朝、繰り広げられる戦いに母は温かい眼差しを送っていた。
最初のコメントを投稿しよう!