双子

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「兄さん!この刀!カッコいいと思いません?!!」 紫の髪と瞳。 名は紫姫。 「嗚呼、本当だ、カッコいいな」 同じく紫の髪と瞳。 名は紫皇。 姿、形、声、全てが似ていた。 違う所を挙げるとすれば性別くらいであった。 そう、二人は双子であった。 全てが同じ、平等である存在。 だが姿、形、声が同じであっても『平等』というものが二人には無かった。 何故―?? そう、それは―― 「あ、そうだ、後で碁を持って来るので一緒にやりませ― 【ガラガラッ】 突然襖が開き紫姫の言葉を遮る。 「紫姫、こんなところにいたのか。次の稽古があるから探したんだぞ。此処で何して…」 襖を開いた主は紫姫と紫皇の父、蒼雲。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!