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ぴと、と冷たい感触。足を踏み入れればそこは海のなか。段々と深くなる底。
足場と視界が悪く、一度転んでしまった。真っ白なワンピースが濡れて水を吸い、重くなる。
歩を進めれば進めるほどまとわりつく布が邪魔で、一張羅を脱ぎ捨てた。
ほぼ全裸で海を歩くことになったが、あまり気にしない。こんな夜に海など誰も来るはずがないからだ。わたしはどんどん歩を進めた。
海水が腰まで浸った。
遠い。まだ遠い。わたしがほしいものはまだまだこの先にある。
手に入れるため、歩き出す。
真っ暗な海を、月明かりを頼りに、少しずつ、少しずつ。
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