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「桜子っ…」
「百合子、わたしが泣かない分は、貴女が泣いて。
そして、最後の日……笑ってお別れしましょうね」
桜子は涙で濡れた百合子の両頬を手で包み、額にキスをした。そして瞼にキスをし、雫を舐めた。
「さ、桜子……」
「うん、わかってるわ」
百合子は桜子を見つめ、桜子は百合子を見つめ。
互いは互いの唇を重ね合わせた。
甘く
切ない
別れの味を噛み締めながら
二人は永遠の愛を誓い、永遠の別れを惜しんだ。
「「愛してるわ、いつまでも」」
それが彼女達の、別れの言葉だった。
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