第一夜

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私が座ると、店主も机とセットになっている椅子に座った。 「申し出が遅れました。私は『妖屋』店主の陽次郎(ヨウジロウ)と申します。」 『妖屋』というのは略名だろう。 ニコニコしたままお辞儀をされたので、私も慌ててお辞儀を返す。 「あ、えと、私は松島蒼月(マツシマアキ)、です。どうも。」 こちらも自己紹介すると、陽次郎さんは更にニコリと笑んだ。 「あ、蒼月さんはおいくつですか?」 「えっ?えと…18ですけど」 「大学生?高校生?」 「…大学ですけど」 何か関係あるのだろうか。 とりあえず答えると、陽次郎さんは何に満足したのか満面の笑みでうんうん頷いていた。 ……………何なの。 「では、本題に入りましょうか。」
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