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「あ~……やっぱり朝は眠い、妹の元気が羨ましいな」
眠たげな目を擦り、不平不満をブツブツと呟きながら、全体的に少し長い、所々寝癖が立った髪をいじりつつ、ノロノロと空は階段を降りて行く。
「何言ってるのお兄ちゃん、もう高校二年生なんだからもっとしゃっきりしなさい!」
優子は空をバンバンと叩く。
空は妹に背中を叩かれながらひっそりと思う。
だったらほっといてくれよ! 高校二年生にもなって、妹に毎朝起こされるみっともなさの方が遅刻より精神的に大きいんだ!
空は心の中で妹に叫んだ。
「中一の妹に心を読まれるお兄ちゃんには、その位のみっともなさが丁度いいよ! 顔も普通だしさ」
優子は意味ありげな顔でそう言うと、空を置いてキッチンへ走って行ってしまう。
「悲しい、な……もうさっさと飯食って学校行こう」
空は足取りを重くしながら食卓に着く。
「あら、ソラやっと起きたの? もう子供じゃないんだから、一人で起きなさい」
「大丈夫、もう起きられるよ……ただ、妹の方が少し早いだけだよ母さん」
空は母さんに言い訳しながら食卓に着く。
「それじゃダメ、早寝早起きは健康の基本なのよ? 三文の得なのよ? いいから早くご飯を食べて学校行きなさい」
空の言い訳は母さんに適当に流されながら、朝ご飯を食べる様に促す。
空がまたブツブツと不満を呟きながら食べていると。
「おっさきー!」
優子は空より一足早く朝ご飯食べ終え、勢いよく家を出た。
「ん……じゃあ俺もそろそろ行くか、行って来ます!」
空も優子に次いで家を出た。
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