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「帰ろうぜ」
北村は、前半の態度とは裏腹に、冷たい表情で言った。
「は?残り見ないのか?」
「4-0。それか4点以上-0で、陽花高校の勝ち。ゲームセット。ありゃーっしたー!」
北村は、飲み干した後、ずっと手に持っていたコーラの缶を、ゴミ箱に投げ入れた。
見事カラン!と音を立て、入った。
「何だ、さっきまで興奮気味だったくせに」
「ここであいつの球見たって、何の意味も無ぇって。やっぱ、実際に、ボックスに立たないと」
「・・・・・ま、それもそうか」
ッカーーーン!!
「わぁぁああ」と、またも歓声が上がる。
「過去最強とまで言わしめるこいつらを倒せたら、甲子園優勝も見えてくるってな。お前が抑えるんだぜ?今ダイヤモンドをグルグル回ってる、花房を」
遠藤は眉間にしわを寄せて、グラウンドの花房を睨むように見た。
「投手に取って、これ以上憎いバッターはいねぇなー」
そういい残し、2人はグラウンドを去った。
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