放課後、いつもこの教室で

3/3
前へ
/14ページ
次へ
あの日、この教室で、私は先生に恋をした。 深い愛がこもった口づけに恋い焦がれたの。 そして、今… 先生の腕の中で、焦がれ続けた甘い口づけに酔いしれる。 幸せに満たされる。 こんな日が来るなんて、夢にも思わなかった。 離れていく唇を追うように、視線を上げた。 まだ夢見心地の私に、先生はくすりと漏らし、額にそっと自分のそれを添える。 そして、深い安堵の溜め息を吐いた。 「ずっと…こうしたかった」 目線だけを上げる私に、先生は甘い笑顔を投げ掛ける。 「離れてた2年間、気が気じゃなかった。箕島の気持ちが離れていくのは仕方ないと思えても…他の男の腕の中に居るなんて、考えただけで嫉妬した」 「…先せ…」 私の言葉を遮って、先生の骨張った細く長い指が唇を塞ぐ。 「もう…先生じゃない」 .
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加