出逢いと解放

2/23
前へ
/64ページ
次へ
「う…ううん」 (……ここはどこだろう…?まぁどこでもいいや…) 「あんな拷問じみた調教される日々より…いくらかましか…。」 声を出してみて気付いた。 「今…私ちゃんと服、着てる…?」 なにせ教育中は、袋に頭と両手を出せるように、切り込みを入れただけのような、粗末な麻布しか着せられなかったからだ。 「競売会場の『商品保管庫』かな?」 そう、これから何人もの奴隷と一緒に売られるのだ。 ざわざわ…ざわ 「なんだか騒がしくなってきたな…。」 「競売…始まるのかな?」 「三百万、三百万!、これ以上いませんか?いらっしゃらないなら、三百万のコールをした方が落札です!」 「いませんね?…はい!只今の商品、奴隷037番!深山雄介(ふかやまゆうすけ)、三百万でー、落札~!」 カンカンカン!!小気味のいい木槌の音が鳴り響いた。 「続きましては、今回の目玉商品!奴隷038番、霧崎麗子(きりさきれいこ)です!」 (あっ、私の番だ…、嫌だな…) と、思いながらも鎖は外れる訳もなく、客の前に引きずり出された。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加