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「さて、この商品は十五歳の若くにして、全ての教育過程をクリアした良質な奴隷で…」
(あぁ…これが私の売り文句か…私、優秀、だったんだな…)
「……と、この辺で止めておきましょう、長くなってスミマセン!」
「では、皆様お待ちかねの、入札に入らせて頂きます!」
(いよいよ始まるんだな…いくら位の値段がつくのかなぁ…)
「では、手始めに百五十万からです!」
「二百!!」「二百五十!!」「三百!!」
「おっと、これは激しいですねぇ~、さぁ、只今三百万です。」
(結構人気あるんだなぁ…)
そんなことを考えている時にその声は聞こえた。
「五百万!!」
それが、私がはじめて聞いたあの人の声だった。
「おっと、来ましたよ~、ほとんど目玉商品しか買わない影宮財閥の御曹子、影宮幸人(かげみやゆきと)です!」
それ以降、値上げの声は挙がらなかった。
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